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2013年12月31日 火曜日

株式取引

株式の発行等の差止め

  会社の支配権の帰属に争いがある場合において、取締役が議決権の過半数を維持・争奪しようとする目的で株式を発行しようとしている場合のケース。

株主であれば、会社を債務者として、差止め請求権を被保全権利とする募集株式の発行等の差止仮処分の申請を行うことが可能である(民事保全法23条2項、会社法210条)。

すなわち、会社法210条により、会社が法令・定款に違反する株式の発行・自己株式の処分、または、著しく不公正な方法による株式の発行・自己株式の処分を行い、これによって株主が不利益を受けるおそれがある場合には、株主は、その効力発生前に、会社に対しその株式の発行・自己株式の処分をやめることを(差止め)を請求することができることが規定されているところ、上記事例は「著しく不公正な方法による株式の発行」にあたるとされる。

「著しく不公正な方法による株式の発行」とは、不当な目的を達成する手段として募集株式の発行等が利用される場合である。

すなわち、募集株式の発行等が、主として、資金調達目的ではなく会社支配権維持などの不当目的達成動機に基づくものである場合には「著しく不公正な方法による株式の発行」にあたると考えられている。

もっとも、募集株式の発行等の効力が生じてしまった場合には、差止めはできなくなることから、株主としては、同効力発生前に差止めの仮処分申請を行う必要がある。法的手段としては、新株発行無効の訴えによることになる(会社法828条1項2号)。

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