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2014年3月27日 木曜日

株主総会通知

一部株主に対する招集通知漏れ

一定の例外的場合(会社法300条本文)を除いて、株主総会に際しては、株主に対して株主総会の招集通知を所定の期限までに発することが要求されている(同法299条1項)。

従って、わずかな議決権を有するに過ぎない株主に対して招集通知漏れがあった場合にも、かかる招集通知漏れは、株主総会の招集手続の法令違反(同法831条1項1号)として、決議取消事由となる。

 では、かかる招集通知漏れについて、自らは株主総会の招集通知を得た株主が、他の株主に対する招集通知漏れを理由に株主総会決議取消の訴えを提起できるであろうか。

 この点について、招集通知を得た株主にとっては、議決権行使の機会が適正に確保されているので、かかる株主にあえて決議の取消を求めさせる必要はないとも思える。しかし、判例は、株主総会決議取消の訴えが、決議の公正を確保するため法定された制度であることから、招集通知を得た株主も他の株主に対する招集通知漏れを理由に決議取消の訴えを提起できるとしている。

 このことから、招集通知漏れは、適正に招集通知を得た株主からも株主総会決議の取消の訴えを提起される可能性がある。従って、株式会社としては、事務処理上のミスなども含め、招集通知について漏れがないか十分に注意しておく必要がある。

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2014年3月21日 金曜日

契約・合意の成立時期

契約書は、双方当事者の合意内容を書面化したもの。

従って、合意がなければ法的に意味がない。

ただ、合意があれば、契約書がなくても、口頭で合意していれば、合意として有効だ。

誤解しやすいのは、サイン押印さえしていなければ、なんの合意も成立していないと考えてしまうケース。

重要な取引では、日本では押印にさらに印鑑証明を要求することもあり、それらをもって合意成立とみなす場合も多いだろう。

しかし、多くの・・日常的な契約では、契約書がなくても、それまでの経緯や、周辺事情から合意があったと認定される(できる)こともあるので、よくよく注意しなければならない。

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2014年3月8日 土曜日

従業員の引抜き

従業員の引き抜き行為について一言。

  取締役が会社に対して会社法上の義務を負うのは、その在任中に限られる。他方、退任後は原則として取締役としての義務を負わない(例外として、退任後の競業禁止特約がある場合等がある)。

  このことからすると、取締役が退任後に同じ会社の従業員の引き抜き行為を行うことは、上記例外的場合等にあたらない限り、会社法上の義務違反による責任は生じない。

  しかし、取締役が在任中に同じ会社の従業員の引き抜き行為を行うことは、引き抜き行為の態様によっては、取締役の忠実義務(会社法355条)違反にあたる可能性があり、会社に対し損害賠償責任を負うおそれがある。

  従って、取締役が、在任中に同じ会社の優秀な従業員をヘッドハンティングすることは、場合によっては会社に対して損害賠償責任を負う危険性があるので注意が必要である。

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